なぜ「ありのままの自分を受け入れる」という言葉が作られたのか。
まずは、それを知る必要があります。
そして、それを知った時、この言葉の使い方を間違えると大変なことになってしまうことに気づく必要があります。
効果があったからと言って、この言葉を乱用しないよう、気をつけてください。
「ありのままの自分」の意味とは
自己啓発や瞑想法、アファメーションなどをやっている方は、一度は「ありのままの自分を受け入れましょう」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
そこでふと、「ありのままの自分とはいったいどういう自分なんだろう?」と思ったことはありませんか?
- 自分の感情に従って良いの?
- ワガママな自分で良いの?
- そういう自分を、社会は受け入れてくれるだろうか?
そういう事を考えてしまうと思います。
そこで今回は、「ありのままの自分」というものがわからない方に向けて、何かヒントになることを書いてみたいと思います。
まずは「なぜこの言葉が使われるようになったのか?」を知る
ここで重要なのは、「ありのままの自分」を探すのではなく、この言葉を作った人、もしくは流行らせた人が、どういう意図があって使っていたのか?を知るところから入るとわかりやすいかと思います。
もしあなたが、「ありのままの自分を受け入れましょう」という言葉を人にかける時、どんな人にこの言葉をかけると思いますか?
そう。自分を否定をしがちな人。
自分に対してネガティブで、人に認められるために、自分を押し殺して苦しんでいるような人です。
- なぜ私は、社会不適合なんだろう…
- もっとみんなに認められる存在になりたい
- 私は、ブサイクだから認められないんだ…
- 私は、デブだから認められないんだ…
- 私は、空気が読めないから認められないんだ…
そんなふうに思い、自分を否定して否定して、自分を嫌いになっている人の無意識レベルには、たくさんの「自分を認めて欲しい」という強い思いが蓄積しています。
そんな時に、「人から認められるよりも、まずは表層意識の自分が、自分自身を認めてあげる」という手段を取ることで、無意識レベルの中に蓄積していた「自分を認めて欲しい」という強い欲求が少しずつ解消され、少しスッキリしてきます。
つまり、欲求が満たされていない状態から、欲求が満たされるための手段として、使われてきた言葉が「ありのままの自分を受け入れましょう」という、自己肯定の言葉なのです。
そもそも自己否定が無い人に「ありのままの自分を受け入れましょう」と伝えても、何も効果はありませんよね。
欲求不満を解消する言葉を使う時の注意点
ですが、この「ありのままの自分を受け入れよう」という自己肯定の言葉、使い方を間違えると危険です。
なぜなら、蓄積された【満たされない思い】に対して「欲求を満たしてあげる」という方向で使う言葉だからです。
この【満たされない思い】という意識が出てくる時、その人の心の中は、闇(心の貧しさ)が大きくなっているからです。
人は、心の貧しさを許し始めると、「もっと満たしたい」という思いが増長してきます。
つまり、一度欲求が満たされると、前回よりもさらに大きな満足感を求め始めるのです。
例えば、人に対しての攻撃性の意識が湧き上がってきたとしましょう、ですが、「人を攻撃しちゃいけない」という意識もあり、それを抑え込んでいる人が、「ありのままの自分を受け入れよう」と思うと、どっちの意識が勝つと思いますか?
そう。欲求を満たす言葉として使っているので、欲求が強い方が勝ちます。
つまり、人に対しての攻撃性が欲求が強ければ、そっちの欲求を満たす方向に流れて行ってしまうのです。
そして、その攻撃性の欲求が満たされると、さらに大きな攻撃性の欲求を満たしたいという意識が芽生え始めます。
こうやって心の弱さに自分の主導権を渡し、どんどん欲求を満たして行くために自己肯定の言葉を使ってしまう。
それって、とても危険をはらんでいると思いませんか?
無意識の中にあるどの意識を「ありのままの自分」と言うのか
無意識レベルの中には、過去感じたたくさんの印象深いショートムービーが蓄積されています↓
そのショートムービーが再生されることで、昔の感覚に戻ってしまうこともあります。
その感覚に素直に従って良いと思いますか?
そのショートムービーが、大きな心の貧しさから生まれた「満たしたい」というによって発せられた意識だとしたら、そのまま行動に移すと大変なことをしでかすこともありますよね。
だから、そのふと湧き上がってきた感覚が、
- 心の中の闇(貧しさ)の部分によって発せられた意識なのか
- 心の中の光(豊かさ)の部分によって発せられた意識なのか
どちらなのか、しっかりしっかり見極める必要があります。
もし、ふと湧き上がってきた感覚が、心の中の闇(貧しさ)によって生まれた意識だった場合、そのショートムービーが再度再生されることを防ぐために、そのショートムービーを無に還す必要があります。
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