小説などで「心の中でもう1人の自分がささやいた、、」などと言う表現を見たり聞いたりしたことがありませんか?
心の中で違う意見が浮かんできたり、真反対の言葉を思いついたりしたことがある人もいるかもしれません。自分の中には別の自分がいるのでしょうか?
自分と自分以外の区別
そもそも自分と自分以外の人の区別はどうやってつけるようになるのでしょう?
母親の体から離れてこの世に生まれ出てきたあとから、自分以外の人と接することによって少しづつ自分と自分以外という概念が身についてくるのかなと思います。
専門家であっても結局のところハッキリとはわからないということのようです。そりゃそうかもしれません。だって赤ちゃんに自分と自分以外の区別がついているか聞いても答えてはくれませんから。
ただ2歳頃から自己認識が出来ているのではないかと言われています。
子供の顔に口紅などを気づかれないようにつけておいて鏡を見せ、自分の顔の口紅をぬぐえば自分という自己認識があると評価するマークテストというテストで、1歳後半ごろから顔をぬぐう確率がグンとあがるそうです。
人は、体の成長とともに心も「自分」というものを認識していくようになります。
自分の中の自分と会話する
そして、自然と自問自答することを覚えます。
例えば人から「将来は何になりたい?」と聞かれてすぐに答える人もいれば、
「え?私は将来何になりたいんだろう?」と考えてから答える人もいます。
それから、声に出して言えないことを心の中でつぶやいたりすることも覚えます。
「あ!忘れてきた!どうしよう??今から取りに帰ろうか?」などと自問自答することが普通になっていきます。
この自問自答の時に、答えるのが潜在意識(無意識の自分)であることがあります。自分の中のもう1人の自分とは普段色々考えている意識(表層意識)ではない意識なのかもしれません。
表層意識では思ってもいない良くない考えの言葉やアイデアが浮かんで、
「こんなこと思ってはいけない」とか「有り得ないし」とツッコミをいれてしまうこともあるのではないでしょうか?
気づいていないだけで自分の表層意識以外の意識はちょこちょこと表に顔をのぞかせているのです。
時々、とっさに出た自分の言葉に「あれ?思わず言ってしまった」という経験がある人もいると思います。
頭で考えるより先に自然と出る言葉や行動は、表層意識以外の意識が働いているように感じます。
自分の意識はたくさんある
実は自分の中には表層意識という表にあらわれている意識と、その他(無意識)があります。
その他の意識は1つではないことが多く、いろいろな自分の意識が自分の中にあることがあります。つまり、もう1人の自分とは表層意識以外の意識ということが言えると思います。
たとえば、真反対の意見を同時に持っているということもよくあります。
例えば、少し好意を持っている先輩に飲みに行こうと言われたとします。
その時に真反対の思いの意識が同時に存在することがあります。
先輩に飲みに誘われた!うれしいっ
飲みに行くなんて緊張するからイヤだな。
みなさんもそのようなことがあるのではないでしょうか?
どちらの意識に焦点を当てるかでその後の行動は真逆のものとなり、その結果、現実もかなり違いが出てくると思われます。
上の例で言うと、最初のうれしいという気持ちが心から出た自然な思い(ポジティブな自分の意識)だとすると、緊張するからイヤだなというのは、もしかすると自分の中のネガティブな意識が発したものかもしれません。
飲みに行くのと行かないのとでは、その後の現実は大きく変わってくるのは想像できると思います。
もしも表層意識がネガティブ意識だとしたら、自然な思いのポジティブな無意識のほうの行動を起こした方が良い結果を招く可能性が高くなりますよね。
本当の意味で自分を確立することが大切
自分の心の中には、表層意識やその他の意識がいろいろとあります。
自分の中のいろいろな意識に振り回されると、自分で自分のことがわからなくなってしまいます。
もう1人の自分もそのほかの自分も全て「自分」であるわけで、どれが本当の自分なんだろう?と悩んでしまうこともあるかもしれません。
今まで自分の意識だと思っていたものが実は親から受け継いだものだったり、だれか別の人の意識を感じとってしまっていたりすることもあるのですから、本当の自分をしっかりと持っていないとブレブレの人生を過ごしてしまうことにもなりかねません。
でも、結局は自分がどういう自分でありたいかというところが大切なのだと私は思います。
いろいろな自分がいてもいいけれど、本当の意味で「自分」というものをしっかりと確率していて軸を持っている事が大切だと思います。
本当の自分がわからないという人は、私たちセラピストとお話をしていく中で少しづつ「自分」を取り戻すきっかけを見つけていただけたらいいなと思います。
コメント